アモルファス半導体

アモルファス半導体
アモルファス半導体
半導体は、よく電気を通す金属と電気を通さない絶縁体の中間の特性をもつ材料です。一般に特性の良い半導体は、原子が規則正しく並んだ結晶で実現されており、ガラス状態(アモルファス)になると半導体としての特性は著しく低下することが知られていました。しかしながら、1970年代半ばに水素化アモルファスシリコンという半導体として働く物質が発見され、それを使って太陽電池が開発され、ました。結晶のシリコン太陽電池よりも特性は落ちますが、太陽光をよく吸収し、かつ安価にで大面積に作製できることから広く普及し、注目されるようになりました。さらに2004年には、IGZO(In,Ga,Zn,Oから構成される)と呼ばれる透明な酸化物アモルファス半導体の発見によって、大面積の基板上に均質な薄膜が容易に作製でき、しかもアモルファスシリコンよりも20倍も電子が動きやすいので、それを使ったトランジスタがを形成できるようになり、高精細な大型液晶ディスプレイや大型の有機ELテレビのの実現をもたらしました。IGZOは電子が動きやすいことく、トランジスタがオフの時の電流が極めて微小なことから、から、低消費電力なディスプレイの実現に繋がり、ました。また低温でも膜を作ることができるので、プラスチック基板をつかった曲がるフレキシブルディスプレイも開発されています。
文責:
北海道大学
小野円佳

写真提供:
東京工業大学 細野秀雄