電球

電球
現在の電球は、電気を流して光るフィラメントと、ガスを封止し光を通すガラス容器からできています。エジソンが白熱電球の研究を始めた頃は、フィラメントには炭素(京都八幡の竹を炭化したもの)が使用されており、空気中で炭素に電流を流して光らせる研究が行われていましたが、空気中だと炭素はすぐに酸化して光らなくなってしまいました。そこで、真空状態の容器の中で酸化を抑えて長時間光らせようという考えが出てきました。真空状態を保てるよう気密性を持ち、光を透過できるという電球にとって理想的な特性をガラスが持っていたため、ガラスで電球の容器が作られるようになり、長い時間光るようになったのです。現在では、白熱電球のフィラメントは炭素からタングステンに置き換わり、フィラメントの蒸発を防ぐために真空状態から不活性ガスを封入した構造に変化しましたが、ガスを封入するタイプの白熱電球でも、光を通し、気体を通さず、フィラメントの高い温度にも耐え、球形に加工できるガラス材料が唯一無二の素材として使用され続けています。
文責:
京都大学
上田 純平

写真提供:
東芝科学未来館