コア技法

トトメスⅢ
コアガラス技法は、紀元前16世紀ごろ、メソポタミアにはじまった最古のガラス器製作技法のひとつです。当時はおそらく、わらに粘土質の泥などつけて器の型つくったコア(芯)として、その周りに融かしたガラスを被せて形を整えて着色や模様を施した後にゆっくりと冷やして固めてつくっていたと考えられています。最後に耐火粘土のコアを掻(か)き出して取り除けばガラスの器の完成です。
画像は、完全な保存状態で現存する最古のガラス容器(1450B.C.頃、高さ81 mm) です。古代エジプト第18王朝6代目の王であったトトメス III世の時代にコアガラス技法で作製され、容器に王の名前が書かれているため、トトメスIII世杯と呼ばれています。
文責:
熊本大学
村田貴広