「量子コンピュータ」とガラス

スーパーコンピューター
2021年のノーベル賞は、惑星のスケールから、原子のスケールまで、広い範囲の自然界に見られる、カオスでランダムな系についての研究に対して与えられました。惑星のスケールとして気候変動に関する研究が受賞対象となり、原子のスケールとして、スピングラスが受賞対象となりました。スピングラスとは、原子のスピン(小さな磁石)がランダムな方向に固定された状態のことです。ガラスはランダムな網目状に原子が結合しており、スピングラスとガラスはともにランダムという類似性が指摘されています。近年、急速に発達している量子コンピュータの計算方法の一つに、アニーリング型量子コンピューティングがあります。この計算方法では、スピングラスの理論を応用されています。スピングラス研究におけるGiorgio Parisi(パリシ)の貢献に対し、ノーベル賞が与えられました。
なお、惑星スケールの気候変動に関する研究では、真鍋淑郎、クラウス・ハッセルマンの両氏がノーベル賞を受賞しています。