「光ファイバー」とガラス

光通信ファイバ

「光ファイバー」


光ファイバーによる光情報通信技術は現代社会を支える基盤技術です。光ファイバーは純度の高い石英ガラスを合成して作られています。1960年代に本格的な研究開発が始まったころ、光ファイバーは長い距離で光を通すことができませんでした。Charles Kuen Kao(カオ)は純度の高いガラスで作った光ファイバーであれば、光情報通信に応用できることに初めて気が付きました。そして、1966年に光ファイバーの基本技術に関する論文を発表し、その後の光ファイバー技術発展に大きな足跡を残しました。Kaoの業績に対し、2009年にノーベル物理学賞が与えられました。

「光コム」


光ファイバーは情報を伝えるガラスとして現代社会では不可欠ですが、他にも光増幅器やレーザーなど様々な応用がされています。その一つに「光コム」があり、特殊な光ファイバーにレーザー光を通すと、髪をとくクシ(英語でコム)のように等しい間隔で沢山の色の光が生じる現象です。この光コムを利用して、ズレが100億年で1秒未満の超高精度な時計を作ったり、超高精度で長さを測ったり(日本では光コムが長さ基準です)することができます。2005年に発明者であるJ. L. Hall(ホール)と T. W. Hänsch(ヘンシュ)はノーベル物理学賞を受賞しました。