自己注射器

エピペンとカートリッジ
重度のアレルギー反応によるアナフィラキシーショックは、時に呼吸困難をもたらし、命も危うくなります。自己注射器を使って薬剤をどこでも即座に投与できれば、このような危険を回避することが可能です。薬剤はガラスカートリッジに入っていますが、1995年以前ガラスの故障率は10%でした。カートリッジに化学強化を施したことで、故障率がゼロになりました。
【化学強化の説明】ガラスカートリッジを高温の溶融硝酸カリウム塩に浸すと、ガラス中にカリウムイオンが侵入し、ガラス中からナトリウムイオンが溶け出します。カリウムイオンはナトリウムイオンより大きいため、このような交換によって、ガラス表面には大きな圧縮応力が生まれます。圧縮応力があることでガラス表面の傷が伸びにくく、ガラスは壊れにくくなります。
文責:
北海道大学
小野円佳
(SAXON GLASS Technologies, Alfred NY の説明文を日本語訳)