白鳥の首フラスコ

白鳥の首フラスコ
1850年代以前は、微生物は無生物の物質から自然発生的に生まれると考えられていた。ルイ・パスツールは、微生物の自然発生説を否定するために、外界との空気や蒸気の出入りを止めず、かつ埃や微生物などがフラスコ内に入らないようにするガラス器具を用い実験しました。このガラス器具は、白鳥の首フラスコと呼ばれ、フラスコの首の部分が長く、S字に折り曲げ加工をしたものになっています。通常の首の短いフラスコと白鳥の首フラスコにスープを入れ煮沸したのち、数日放置したところ白鳥の首フラスコのスープだけは腐らなかったことで、自然発生説を否定することに成功しました。この実験が出来たのも、透明で中が観察でき、思い通りの形状を作製することができ、直火にも耐えることができるガラスという材料があったおかげです。
文責:
京都大学
上田 純平