通常の単板ガラスで出来た窓は室内に光を取り込めるため快適な生活を実現することに繋がりますが、一方で断熱性能はが壁面と比べると桁で小さいので、窓を通じてのエネルギーの流出入量で室内温度が決まります。一方。室内の空気(気体)や内壁の持つ「熱エネルギー」が熱伝導・熱流を通して変化します。室外の太陽光(可視光~赤外光)等や室内の物体が自然と放っている赤外線の「光エネルギー」が輻射を通しても変化します。「熱」と「光」よるエネルギーのバランス量により、冷暖房に必要なエネルギーが決まります。室内と室外の熱の流れを遮断し、光エネルギーを適切に取り込み・吸収出来るガラスを使うことで、エネルギー削減することができます。断熱ガラスは、間に断熱層を設けた複数枚のガラスを用いることで熱の流れを遮断します。更に、表面に薄い金属膜をコーティングしたガラス(Low-Emissivity(Low-E)ガラス)を用いることで、太陽からの光や室内からの熱線を吸収・反射します。これらの効果により、夏には暑さを和らげ、冬には熱を逃さないため、熱を効率よく調整することが出来るようになります。断熱ガラスでは、通常のガラス1枚をつかった場合よりも75%程度も熱の流れを抑制することが出来ます。
文責:
山崎芳樹(AGC株式会社)
参考文献:
砂原ら, “機能性ガラスによる断熱・遮熱”, Journal of The Society of Inorganic Materials, Japan 14, 403-409 (2007)
山崎芳樹(AGC株式会社)
参考文献:
砂原ら, “機能性ガラスによる断熱・遮熱”, Journal of The Society of Inorganic Materials, Japan 14, 403-409 (2007)