自動車用ガラス

自動車用ガラス
ガラスは、クルマの安全・快適・健康なドライブの実現やデザインなどの魅力向上に貢献しています。ガラス表面に紫外線や赤外線をカットする膜を作ることで快適性を高めたり、可視光をカットすることでプライバシーに配慮した車両空間を作ることもできます。自動車用窓ガラスに用いられているガラスをソーダライムガラスと呼び、ケイ砂(SiO2)、石灰石(CaCO3)、ソーダ灰(Na2CO3)が主原料です。このソーダライムガラスを用いた自動車用窓ガラスは、合わせガラスと強化ガラスの二つに大きく分類されます。合わせガラスは、2枚のガラスに挟まれた樹脂膜(ポリ・ビニル・ブチラール(PVB))が飛来物の貫通やガラス破片の飛散を防ぎます。強化ガラスは、加熱成形後に急速冷却してガラスの強度を高めるとともに割れた時の破片が小さくなって怪我をしにくくなっています。
合わせガラスは、英語名のWindshieldの言葉通り、フロントガラスの『風よけ』の機能が当初求められた機能でしたが、現在は遮熱・遮音・速度や安全情報を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)・さらにルーフガラスに用いて明るさをコントロールする調光機能などが求められています。
さらに内装部材・インパネには、スマートフォンの最表面のカバーガラスと同じ化学強化という製法でガラス強度を高めることに適した酸化アルミニウム(Al₂O₃)を含有するアルミノシリケートガラスが使用され始めています。
文責:
AGC株式会社 濱野直

写真提供:
AGC株式会社