鏡
皆さんも洗面所やお風呂、手鏡、全身鏡など様々な場所で鏡を見ますよね?メイクやファッションコディネートのチェックに鏡は欠かせません。車のバックミラーや、車いすの人が後ろを確認できるように取り付けられたエレベーターの鏡など、安全にかかわるものもあります。

鏡はフロート法で作られた非常に平らなガラス板の裏側に銀などの金属膜をコーティングしたもので、とても平滑な金属膜が光をよく反射することで、反射した光の像(鏡像)を見ることができます。なぜガラスが使われるのかというと、とても精度の高い平らな面を作れて、透明性が高く、ゆがみにくいからです。人間の目はゆがみに対してとても敏感で、鏡が少しゆがんだだけで違和感を感じますが、ガラスの鏡はとても正確な鏡像を映すことができます。

鏡は生活だけでなく、最先端の科学にも使われているって知ってましたか?最先端の望遠鏡や半導体製造などのナノテクでは光をとても精密に集光することが必要です。これらの用途ではレンズを用いた屈折光学系ではなく、鏡を用いて集光する反射光学系もよく利用されています。ゼロ熱膨張ガラスと呼ばれる温度変化してもひずまないガラスで作られた鏡が様々な最先端機器で利用されています。
文責:
産業技術総合研究所
篠崎健二