防火ガラスとは火災が起きても割れない特殊なガラスのことです。多くの人が利用する公共施設などの大きな窓には法律で防火ガラスを用いることが定められています。防火ガラスと呼ばれるものには網入りガラスや物理強化ガラスなどいくつか種類がありますが、最も性能が高いのは結晶化ガラスを用いたものです。ガラスは一般的に熱に強い材料ですが急激な温度変化には弱く、火災の時に炎で急に熱せられたり消火の放水で急に冷やされたりすると割れてしまいます。これはガラスの温度が上がると体積が膨らむ熱膨張という性質があるためです。結晶化ガラスは特殊なガラスを熱処理し、内部にとても小さな結晶を均一に生じさせたもので、温度が変化しても体積が変化しないような性質にしています。この特徴により、結晶化ガラスは高温でも変形せず、火災や消火の際に炎や水により急激な温度変化にさらされても割れることがないので、高い安全性が求められる場所に使われています。
文責:
日本電気硝子株式会社
松下佳雅
写真提供:
日本電気硝子株式会社
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