物質の三態とガラス

体積変化の図
物質には気体、液体、固体の三態が存在します。例えば水であれば、気体は体積も形も定まらない水蒸気、液体は体積が定まっているが形が定まらない水、固体は体積も形も定まっている氷になります。温度や圧力を変えると固体が液体になったり液体が気体になったりと変化します。これを原子のスケールで見ると、気体は原子や分子が自由に飛び回っている状態、液体は原子や分子が結びついて自由にバラバラに動いている状態、固体は結びついた原子や分子が規則正しく並んでぎっしりと詰まって自由に動けない状態です。ではガラスはどんな状態でしょうか?ガラスは原子や分子が結合していますが、液体と同じようにバラバラなまま規則正しく並んでいない状態で固まっているのです。液体のようだが粘度(液体の流れにくさ)が高すぎて原子が動けない状態、とも言えます。なぜガラスは固まっているのか、何千年、何万年と長い時間で考えれば液体のように流れるのか、ということも最近まで解明されておらず、実はガラスが液体か固体かもあつく議論されていました。現在は研究が進みガラスは固体ということが定説ですが、まだまだたくさんナゾがある物質です。
文責:
産業技術総合研究所
篠崎健二