クリスタルガラス

クリスタルガラス
クリスタルとは水晶(宝石)のことですから、原子の配列がランダムなガラスとは全く違いますね。どういうことでしょうか?
「クリスタルガラス」は、クリスタル = 水晶 のようなキラキラとした輝きをもつガラスのことです。このような、透明でもキラキラとした輝きをもつ屈折率の高いガラス(クリスタルガラス)は1673年にジョージ・レーベンズクロフト(George Ravenscroft、1632‐83)によって発明されました。
窓ガラスは、ソーダ石灰(Na2O-CaO-SiO2)から作られるガラスですが、クリスタルガラスは酸化鉛(PbO)を主要成分として含むことで高い透明度と高い屈折率が得られ、透き通った光沢のある美しい輝きをもちます。そして、軽く指で弾くと澄んだ音色も奏でられるんですよ!
環境に配慮して、鉛(Pb)を含まず、代わりにカリウム(K)、バリウム(Ba)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)の酸化物を使ったクリスタルガラスもあります。
写真は、クリスタルガラスとして初めて日本芸術院賞を受賞した「鉢」(1959年 各務鑛三 作)の画像です。
文責:
熊本大学
村田貴広

写真提供:
カガミクリスタル株式会社